福島章・町沢静夫編

人格障害の精神療法


四六判/260頁/定価2,940円(税込) 1999年5月刊


ISBN978-4-7724-0612-3

 人格障害は,精神療法の実践の対象としては最も困難な対象の一つである。病態水準という観点から見れば,神経症レベルにも達しない正常レベルから精神病的な水準まで,さまざまな防衛機制と病態水準を示す者が一括されている。従って,臨床の場においても,いかなる技法にせよ,共通する総論的な問題はないといってよい。
 本書は,人格障害の精神療法についてのケースがまとめられた日本で最初の書物である。DSM-Ⅳの人格障害のほぼすべての類型を網羅し,現役の臨床家が実践的な治療経験を詳述している。
 人格障害の精神療法においては,治療者は高度な治療技術を必要とし,そこに注ぎ込むエネルギーも多大なものがある。しかし人格障害の精神療法は,精神療法の最も深い領域であることも事実であり,今後,生物学的精神医学や行動科学がどれほど進歩しようとも,決してその場を奪われることのない精神療法家の最後の砦であるということもできるのである。

(本書より)

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