矢澤美香子著
社会人のためのキャリア・デザイン入門
四六判 244頁 定価(本体2,800円+税) 2016年2月刊
ISBN978-4-7724-1477-7
近年、どのように働き、どのように生きるかといった“キャリア”への関心が高まりつつある。
キャリア教育が多くの学校機関に導入され、キャリア開発プログラムを取り入れる企業も増加している。
自分自身のキャリアを自律的、主体的に“デザイン”していくことが求められている。
本書では、学術的なキャリアの専門知識や理論を解説しつつ、さまざまなワークを通じて自らの生き方、働き方を振り返り、これからの“キャリア・デザイン”について考えられるようになることを目指す。生涯学習の視点から“社会人になってからの学びをどのようにキャリア・デザインに活かすか”という社会人の学びについても論じていく。キャリアに関心を持つ方にとって役立つ1冊である。
おもな目次
はじめに
第1章 キャリアとアイデンティティ
- 1.キャリアとは何か
- 1)キャリアの定義
- 2)キャリアの共通要素
- 3)アイデンティティ
- 2.キャリアのさまざまな捉え方
- 1)「ジョブ・キャリア」「ワーク・キャリア」と「ライフ・キャリア」
- 2)「客観的キャリア」と「主観的キャリア」
- 3)「オーガニゼーショナル・キャリア」と「バウンダリーレス・キャリア」
- 3.社会人のアイデンティティとキャリア・デザイン
第2章 生涯学習とキャリア・デザイン
- 1.生涯学習時代を生きる社会人
- 1)生涯学習とは何か
- 2)生涯学習の実態からみる学びの志向
- 3)リカレント教育
- 4)生涯学習時代からポスト生涯学習時代へ
- 2.成人における学びの特徴
- 1)成人の教育・学習理論(アンドラゴジー)
- 2)能力の変化
- 3)変容的学習
- 4)成人学習者の二側面
- 5)自律的な学習にむけて
第3章 社会人学生としての学び
- 1.社会人の学習参加
- 1)人生の出来事,転機と学びの動機
- 2)学びの目的
- 3)学習者層
- 4)学習関心と学習行動
- 2.社会人学生の学びにおける多様化と障害・対策
- 1)社会人学生の学びの促進に向けた施策
- 2)社会人学生の学びの動向と障害
- 3)大学通信教育での学び
第4章 キャリア理論をキャリア・デザインに活かす
- 1.キャリア発達とキャリア開発
- 2.キャリア理論
- 1)キャリア理論の全体像
- 2)個人特性と職業のマッチング:スーパーの理論
- 3)環境と個人の相互作用:ホランドの理論
- 4)キャリア・ダイナミクス:シャインの理論
- 5)偶発性とキャリア:クランボルツの理論
- 6)キャリア発達における意思決定
- 7)キャリア・トランジション:シュロスバーグ,ブリッジズの理論
- 8)統合的ライフ・プランニング:ハンセンの理論
- 3.キャリアをデザインする
第5章 ライフ・サイクルとキャリア・デザイン
- 1.成人期における発達研究(サイクル・モデル)
- 1)レビンソンのライフサイクル
- 2)シャインのキャリア・サイクル
- 2.キャリアの3段階における特徴
- 1)成人期前期(20代半ばから30代)
- 2)成人期中期(30代半ばから40代)
- 3)成人期後期以降(50代以降)
第6章 多様性とキャリア
- 1.女性におけるキャリアの問題
- 1)女性のライフサイクルとキャリア・バリア
- 2)女性における働くこと
- 3)女性のキャリアと学び
- 2.ダイバーシティとキャリア
第7章 適性と専門性
- 1.社会人と適性
- 1)適性とは何か
- 2)職業適性検査
- 2.社会人の学びと専門性
- 1)専門性とは何か
- 2)専門性を高めるために
第8章 社会人学生のよりよいキャリア・デザインをめざして
- 1.「ワーク」「ライフ」「ラーニング」の調和
- 2.ポジティブな心理機能とキャリア
- 1)レジリエンス
- 2)フロー
- 3)ワーク・エンゲイジメント
- 3.スピルオーバーとクロスオーバー
第9章 社会人学生としての学びを活かすキャリア・デザイン
- 1.キャリア・デザインの方法
- 2.キャリアを促進する社会人学生の工夫
あとがき