精神分析のパラダイム・シフト (単行本)
アンドレ・グリーンの精神分析
本書は,2015年にグリーンの精神分析を顕彰する目的で英国精神分析協会の主催で開かれたシンポジウムをもとに,グリーンと直接交流を持った分析家たちによる論考をもとに構成された論文集である。ペレルバーグによるグリーン理論の包括的な解説から始まり,精神分析的な臨床実践の論文,文化芸術に関わる論文,グリーンの理論についての討論やグリーンのインタビューなどによってバランスよく構成されている。
それゆえ直接グリーンに取り組むのとは異なる,さまざまな視点を得る機会となり,彼の思考をたどるのに最適な手引きといえる。
アンドレ・グリーンの精神分析を紹介することを通して,彼が開いた新しいパラダイムに読者を導く。
編者と寄稿者について
まえがき
序文 グリーンと化す精神分析・カンファレンスの回想
ハナ・ブロウンとアナ・シュトレールヴィッツ
導 入 アンドレ・グリーン:概念パラダイムの樹枝
ロジーヌ・ジョゼフ・ペレルバーグ
第1章 死と破壊性について
リツァ・グティエレス−グリーン
第2章 陰性幻覚,夢,そして幻覚――分析の設定における枠づける構造とその表象
ロジーヌ・ジョゼフ・ペレルバーグ
第3章 悩ましき身体――心気症,変形,そしてネガティヴの仕事
ジェド・セコフ
第4章 エドゥアルド・チリーダの作品におけるネガティブについて
グレゴリオ・コホン
第5章 知的な寛容性――グリーンのギリシャ性
マイケル・パーソンズ
第6章 アンドレ・グリーンとのインタビュー――1960年から2011年の精神分析の道のり
フェルナンド・ウリバリ
第7章 臨床思考について――新たな現代的パラダイムへ向けた精神分析領域の拡張
フェルナンド・ウリバリ
アンドレ・グリーン著書目録
解題
索引